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☆正しいシェイプアップを
多くの人が「からだがたるんできた」「おなかが出てきた」などの理由で
運動を始めますが、大きな成果をあげる人もいれば、うまくいかない人も
たくさんいます。効果が出た人は、より一層がんばることができますが、
効果の出なかった人は運動しても無駄と決めつけ、トレーニングを止め
てしまった結果、更に悪い状態になってしまうケースもあります。今回と
次回の2回にわたって、シェイプアップに効果的なトレーニングを説明し
たいと思います。
まず、シェイプアップという意味から考えていきましょう。よく私たちは、
痩せると同じような意味でシェイプアップという言葉を使いますね。果た
して、シェイプアップとは痩せることでしょうか。
太っていて、脂肪が多い人にとっては確かにそうかもしれません。で
は痩せている人にとってのシェイプアップとは、更に痩せることでしょうか。
シェイプアップの本来の意味は、形を整える、もしくは見栄えを良くする
ということだと思います。
人間のからだのアウトラインを形作っているのは、主に筋肉です。男
性ならば、広い肩幅や、厚い胸板、逆三角形の背中、引き締まった腹
部や臀部などが男性的な力強いアウトラインを形成します。女性の場
合は、これらの筋肉の上に適度に脂肪が乗ることにより、張りのある胸
や臀部、引き締まった脚や腹部に女性的な丸みを持たせます。トレーニ
ングによるシェイプアップとは、つまりこのようなアウトラインを形成する
諸筋群をしっかり鍛え、同時にアウトラインを覆い隠してしまう余分な脂
肪(この場合皮下脂肪)を減らして、アウトラインを際だたせることを指し
ます。
トレーニングでのシェイプアップのポイントを以下に示します。
●必ず有酸素運動とウェイトトレーニングを並行して行う
有酸素運動(ジョギングや自転車こぎなど)だけでシェイプアップしよう
としている人が結構多いのには驚かされます。有酸素運動は確かに効
率良く体脂肪をエネルギーとして使うので、減量やシェイプアップには必
要不可欠な運動です。しかし、同時に筋肉もエネルギーとしてある程度
分解していることも忘れてはいけません。筋肉は脂肪をエネルギーとし
て大量に使ってくれる組織であり、これが減っていくと、見せかけの体重
減少とは裏腹にどんどん脂肪のつきやすい、太りやすい体質になってし
まいます。
前記したように、シェイプアップとは、脂肪を減らしながら、筋肉をつけ
る、もしくは維持することが目的であり、脂肪を減らす効果がある運動
(有酸素運動)と筋肉を維持・増加させる効果のある運動(ウェイトトレー
ニング)の両方を常に行っていくことが必要です。1時間トレーニングす
るのであれば、そのうち、40分位を有酸素運動に、20分位を筋トレにあ
てれば良いでしょう。
●体重を減らすのではなく、除脂肪体重を増やすようにする
ジムよく見る光景で、トレーニング直後に体重計に乗って一喜一憂して
いる姿がありますが、仮に体重が減っていても、その時点ではトレーニン
グで水分が抜けているだけということを理解しておいてください。シェイプ
アップ目的の場合、体重の増減はあまり重要でなく、重要なのは体脂肪
率であり、除脂肪体重を維持・増加させることです。除脂肪体重とは、全
体重から体脂肪量を引いた値で、脂肪以外の組織(筋肉、骨その他)の
総重量です。これを増加させるには、脂肪が減少するか、筋肉が増加す
るか、またその両方が必要になります。定期的に体脂肪計を使って体脂
肪率を測定し、筋肉が犠牲にならずに脂肪が減っているかを確認しまし
ょう。もし除脂肪体重の減りが顕著な場合は、筋トレの割合を増やし、タ
ンパク質等の栄養摂取を見直すことが必要です。
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