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☆ウェイトトレーニングを始めるときの注意点
ウェイトトレーニングに限らず、全てのトレーニングに言えることですが、
まず重要なのは、トレーニングの目的を明確にして、その効果のある種
目を選び、その効果が期待できる方法で行わなくてはならないということ
です。何も考えず、ただ闇雲にトレーニングをしていても、無駄とは言わ
ないまでも、かなりの遠回りになってしまいます。
初めてウェイトトレーニングを行う場合、まずウェイトトレーニングに身
体を慣らすこと、エクササイズのフォームやマシンの取り扱いの習熟な
ど、“慣れ”が第一の目的となります。その為のポイントとしては下記の4
つがあげられます。
●高強度のウェイトトレーニングは行わない。
高負荷を使って強烈な刺激を与えるトレーニングは、確かに筋力向上や
パワーの向上、筋肥大に絶大な効果があります。しかし、筋トレに慣れて
いない初心者では、ひどい筋肉痛や、疲労感、ケガの危険性が高くなりま
す。そして、結果的にウェイトトレーニングを中断してしまうことにもなりか
ねません。
初心者がウェイトトレーニングを習慣的に行って行くには、軽めの負荷を
用いて全身の筋肉をトレーニングに慣らして行くことが重要です。具体的
には、15回くらい持ち上がる重量を選択して、10〜12回の反復を1種目
につき、2〜3セット、正しいフォームや呼吸を意識しながら行うのがよい
でしょう。
●種目数、セット数とも少な目にする。
ウェイトトレーニング初心者が失敗をするもう一つの要因として、“やりす
ぎ”があります。効果を追い求めるあまり種目、セット数を増やしすぎ、オ
ーバーワークになってしまうことや、1回のトレーニングに2時間以上もかか
るため、時間がとれず、そのうちやめてしまうこともあります。
ウェイトトレーニングを効果的に行うには、効率よく、なるべく短時間に最
大限集中して行うことが重要です。人間の集中力は、1時間半〜2時間位し
か持続しないと言われています。特にウェイトトレーニングのように強度の
高い作業の場合は、10年以上経験のあるボディービルダーでも1時間〜1
時間半位が集中力の限界だそうです。初心者の場合は、1回のトレーニン
グを、有酸素運動やストレッチも含めて1時間以内で行うのが勧められます。
筋トレは、4〜6種目を各2〜3セットとして、20〜40分ぐらい行うのが適度で
しょう。
●全身の主な筋肉をバランス良く鍛える。
よく初心者の方で、「腕力を強くしたい」といって腕のトレーニングばかり行
う方がいます。これは間違いではありませんが、効率の悪い方法といえます。
全身には600近い筋肉があり、それぞれが共同して動いて初めて一つの
動作を行います。例えば、腕相撲の場合、腕の筋群はもちろん、腕が胴に
つながる肩の筋群、肩甲骨を固定する様々な筋群、体幹を固定する筋群、
脚を踏ん張るための下腿の筋群など、ほぼ全身の筋肉を使っています。腕
の筋肉をいくら鍛えても、それがつながっている胴体の筋肉が弱かったら、
腕の筋力を十分に生かすことはできません。そもそも、腕や脚などの末端の
筋群より、それらがつながっている胴体部の筋群の方が、重要なのです。
ですから、初心者が効果的に全身の筋肉をトレーニングする場合、胸、肩、
背中、腹、下背、臀部、太ももあたりの筋肉をトレーニングするのがよいでしょ
う。これらの筋群をトレーニングすることによって、副次的に手足の筋群も強
化されます。お勧めの種目は以下のとおりです。
ベンチプレス(チェストプレス):胸、肩、上腕三頭筋
プルダウン(懸垂):背中、上腕二頭筋
スクワット(レッグプレス):臀部、太もも、(下背部 スクワット)
クランチ(アブドミナルマシン):腹
デッドリフト(ローマンチェアーバックエクステンション):臀部、下背
これらの種目をベースとして、慣れてきたら他の種目も加え、トータルが8種
目以上になる場合は、上半身、下半身と分けて行うような分割法(スプリット
ルーティン)を採用しましょう。
●なるべく高頻度(週3日くらい)でトレーニングを行う。
初心者がウェイトトレーニングに身体を慣らすには、適度な刺激を適度な
頻度で与える必要があります。また、トレーニングによって疲労した筋線維
が完全に回復するには、おおむね48〜72時間かかると言われており、72時
間以上開けてしまうと、効果が徐々に薄れていってしまい、1週間経つとほ
ぼ、トレーニング前と同じ状態になると言われています。以上のことから、効
果を最大限に引き出すには、1日置きか2日置きがベストと言えます。そし
て週2〜3回習慣的に行える内容にすることが重要ですので、強度を高くせ
ず、短時間で効率よく、気軽にできる内容で始めてみてください。
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